調査結果:看護師を辞めたい割合とその理由

kangosi

昨年の2013年9月〜10月にかけて、愛知県内の看護師、助産師の2586人を対象に県医療介護福祉労働組合連合会調査(医労連)が実施した調査で、「仕事を辞めたいと思う?」のアンケートに対して、なんと75.9%が「辞めたい」と回答していることが分かりました。

その内訳は以下の通りで、

「いつも思う」18.2%、
「ときどき思う」57.7%、
「思わない」16%、
「分からない」6.3%、

となっており、その辞めたい理由に対しては、

「人手不足で仕事がきつい」が47.3%、
「思うように休暇が取れない」39.5%、
「夜勤がつらい」33%、
「賃金が安い」31.8%

と、労働環境に対する不満が上位に集中する結果となっています。

夜勤日数が多いほど流産の割合が増加

また、2010年4月以降に妊娠した人を対象にした「妊娠、出産状況について(複数回答可)」のアンケートに対しては、

「流産」10.3%、
「切迫流産」25.5%、
「早産」4.9%。

となっており、その結果は夜勤日数が多いほど、流産する割合が高い事も分かりました。

しかし「妊娠中でも夜勤の免除が受けられなかった」との回答も40%となっており、この事からも医労連は「人手不足に対しての早急な改善」を訴えています。


医療ミスに繋がる深刻な人手不足の問題

また「過去3年以内にミスやミスを起こしそうになったことがあるか?」の調査に対して、「ある」との回答は86.8%にも上り、その理由においても、

「慢性的な人手不足による忙しさ」が82% がトップ、また疲労に関する調査では、

「疲れが翌日に残る」が51.2%、
「休日でも疲れが取れず、慢性的に疲れている」19.4%、

と、ここからも看護師、助産師の人手不足と原因とした、深刻さが見て取れる結果となっています。

これらの問題は、単純な人手不足というのも一因としてありますが、医労連は同時に「医療の高度化により、高齢患者、認知症患者の増加で対応に追われるケースが増加、そのため業務量がさらに増える傾向にある」と指摘しています。

人手不足を叫ばれて久しい看護業界ですが、このようにハッキリとした数字で表されるとその深刻さは予想以上で、また様々な要因になっている事が分かります。

さらなる医療の発展の為にも、早急な改善が求められています。


●出典(看護、助産師「辞めたい」75% 県内調査:中日新聞)